こんにちは。阿形です。
弊社社内では、各種ドキュメントをSphinxで書いてGitLab経由でNetlifyでビルドしWebブラウザで見られるようにしています。通常はこれで十分なんですが、諸般の事情でメール等で添付したり、紙に出力しなければならない場合、少々不便なこともあります。
SphinxでHTML出力したものをPDF化してもいいと思うのですが、せっかくなのでTeXを経由してPDF化してみます。
いつもどおり私の環境を前提に話を進めます。私のドキュメント作成環境は以下のとおりです。
SphinxからPDFを生成するには、TeXを経由する必要があります。このため、TeXの処理環境が必要となります。macOSの場合、Homebrewで簡単にインストールできますので、今回はHomebrewを使用した方法でインストールします。
$ brew cask install mactex
環境にもよりますが、TeXのパッケージの容量が大きいのでかなり時間がかかります。のんびり待ちましょう。
==> Satisfying dependencies
==> Installing Formula dependencies: ghostscript
==> Installing dependencies for ghostscript: libtiff
==> Installing ghostscript dependency: libtiff
==> Downloading https://homebrew.bintray.com/bottles/libtiff-4.0.10_1.high_sierra.bottle.tar.gz
################################################################## 100.0%
==> Pouring libtiff-4.0.10_1.high_sierra.bottle.tar.gz
? /usr/local/Cellar/libtiff/4.0.10_1: 246 files, 3.5MB
==> Installing ghostscript
==> Downloading https://homebrew.bintray.com/bottles/ghostscript-9.26_1.high_sierra.bottle.tar.gz
################################################################## 100.0%
==> Pouring ghostscript-9.26_1.high_sierra.bottle.tar.gz
? /usr/local/Cellar/ghostscript/9.26_1: 668 files, 81.1MB
==> Downloading http://mirror.ctan.org/systems/mac/mactex/mactex-20180417.pkg
==> Downloading from ftp://ftp.kddilabs.jp/CTAN/systems/mac/mactex/mactex-20180417.pkg
################################################################## 100.0%
==> Verifying SHA-256 checksum for Cask 'mactex'.
==> Installing Cask mactex
==> Running installer for mactex; your password may be necessary.
==> Package installers may write to any location; options such as --appdir are ignored.
Password:
mactexのインストールが始まると、パスワードを聞かれるので入力します。ここからもさらに時間がかかります……。
installer: Package name is MacTeX-2018
installer: choices changes file '/var/folders/tg/lt98nx792tj67l35cv39860c0000gn/T/choices20190317-6954-hjcb0m.xml' applied
installer: Installing at base path /
installer: The install was successful.
? mactex was successfully installed!
これでTeXのインストールができました。
ここまでで以下のものがインストールされています。
tlmgrコマンドでインストールしたTeX Liveをアップデートしておきます。
brewコマンドを実行したターミナルだと、環境変数が更新されていないのでtlmgrコマンドにパスが通っていません。新しいターミナルを開くと環境変数が設定されるので、新しいターミナルで以下のコマンドを実行します。
$ sudo tlmgr update --self --all
これもまたかなり時間がかかります…。のんびり待ちましょう。
紙のサイズのデフォルト設定をやっておきます。ここではA4に設定しています。
$ sudo tlmgr paper a4
ここまででTeXのインストール、設定は完了です。時間はかかるものの、非常に簡単で助かりますね。学生時代にTeX環境整えるのにヒイコラ言っていたのからすると、ありがたやありがたや…。
TeXの設定が終わったら、SphinxからPDFが生成できるようになっています。
Sphinxのディレクトリで以下のコマンドを実行します。
$ make latexpdf
問題なければ、build先にlatexフォルダが作られ、TeX関連ファイルとPDFファイルが生成されます。
以上です。