こんにちは、阿形です。
先日弊社のオフィス系データをまとめてバックアップして、S3にそのまま保存するのと、Glacier Instant Retrievalに保存するのとで、どれぐらい価格差が出るのか試してみました。
S3は皆さんご存知と思いますが、Glacier Instant Retrievalは、S3と同様にミリ秒単位での取り出しができる上に、料金はGlacierに近いかなりお得なものになっているオブジェクトストレージです。その分取り出し料金はS3よりも高いので、基本的にバックアップ向けのストレージです。
で、今回このコスト比較をやってみようと思ったのは、Glacier Instant Retrievalに以下のようなちょっとややこしい制約があるためです。
S3 Glacier Instant Retrieval の課金対象となる最小オブジェクトサイズは 128 KB です。128 KB より小さいサイズのオブジェクトを保存することもできますが、適切なストレージクラス料金で 128 KB のストレージとして課金されます。
https://aws.amazon.com/jp/s3/pricing/
要するに、128KB以下のオブジェクトを保存すると、S3の値段になっちゃいますよ、ってことですね。
で、実際のオフィス系のデータって小さいファイル多いですよね?
オフィス系のデータをバックアップするんだったら、S3でそのまま保存したほうが取り出し料金も安いからいいんじゃない?という話が出たのが発端です。
直感的にはあんまり影響ないんじゃないの?とは思ったんですが、実際に数字で示さないと納得はできませんよね。
で、モデルデータ作って試算してもいいんですが、論より証拠ということで、まずは実際に弊社のオフィス系データで試してみました。
容量としては15GB程度のデータです。
テキストデータなどかなり細かいファイルが多く、比率は以下のような条件です。
ファイルサイズ | 比率 |
128KB未満 | 95% |
128KB以上 | 5% |
かなり厳しいものだと思いましたが、結果はこんな感じでした。(金額は1日あたりの料金です)
ストレージクラス | 価格($) | Standardに対する価格比 |
---|---|---|
Standard | 0.0243990296 | – |
Glacier Instant Retrieval | 0.004890458 | 約20% (約80%OFF) |
一目瞭然ですね。
ちなみに、東京リージョンでのお値段は、Standardが0.025USD/GB、Instant Retrievalが0.005USD/GBなので、ほぼその比率通りです。
条件が悪かろうが、128KB未満のファイルが及ぼす影響については誤差の範囲でした。
結局ちょっと大きいファイルがあれば、128KBのファイルがいくらあろうが関係ないという感じです。
もうちょっときちんと計算してもいいんですが、私としては実データで傾向がわかったのでこれで満足ですw